目撃者の記憶
犯罪の捜査では、目撃証言が大きな役割を果たす。
しかし、人間の記憶はさまざまな要因によって影響をうける。
■符号化・保持要因
①目撃知覚とストレス
・目撃証言の性格さに影響する基本的な要因として
・明るさ、見た角度、距離、目撃した時間の長さといった、観察条件の特性がある
☆☆
・目撃知覚に影響する要因は
・目撃者の年齢や性別など、目撃者の特徴に関するもの
・事件の犯人の特性
・明るさや目立ちやすさなど事件に関係した要因(現場要因)の3つにわけられる
☆☆
・喚起された情報やストレスは情報の符号化に影響を及ぼし
・目撃した出来事に関する記憶の構成要素となる
・犯罪の現場を目撃したにもかかわらず
・ストレスの影響で銃やナイフといった共起のことしか覚えていないことがある
・これを凶器注目効果と呼ぶ
・一般に情動的なストレスによって注意の幅が狭められ(視野狭窄)
・注目された対象は詳細に処理されるが、
・周辺の情報は見逃されやすい
②無意識的転移
・誰かの写真を偶然目にすると後の時点で、その人の顔に見覚えがあるように感じる。
・ハワイの少年殺人事件
・ホープトさんはホテルの宿泊客であった
・ホープトは事件と無関係なのに、「見たことがあるから」、目撃者全員に
・犯人だと勘違いされた。無意識的転移が生じていた。
・被疑者を数名の中において、目撃者に識別させる方法を「ラインナップ」という
③誤導情報効果
・出来事の符号化と後続の検索の間に提示された、多い違いを招くような事後情報が
・目撃者の想起に影響を及ぼすことがある
・これを誤導情報効果という
・ロフタスとパーマーの実験
・同じ自動車事故の動画を参加者にみせる
・一連の質問を行う
・「自動車が激突したとき、車はどれくらいの速度で走っていたか」
・「自動車がぶつかったとき、車はどれくらいの速度で走っていたか」
・激突条件では、推定速度は時速66キロ
・ぶつかった条件では、推定速度は時速55キロ
・質問の中に埋め込んだ言葉で、どのように記憶を想起するかが変わる
・さらに1週間後、「割れたガラスを見ましたか」の質問に対して、
・激突条件32パーセント、ぶつかった条件14パーセント、統制条件12パーセント
・ロフタスらは誤導情報が、時間をさかのぼって本来の記憶表象を歪曲と解釈
・ただ、のちの記憶テストの設定に問題があったのではとの批判もある